atoa select  私+子に贈る -GIFT to children&me-

今回はデザインするということではなく、’贈りたいもの’をセレクトすることで日々の暮らし方のデザインを考えたいと思います。
幸運なことに、私たちの周りには一つ一つ大切に、そしてクオリティーの高いものを作っている方々がいます。そんな’贈りたい’と思えるものたちをatoa designを通じてご紹介できればと思い展覧会を開催しました。

春の益子という街で、私+子に贈るにふさわしいものを集めました。
きっと日々の暮らしを素敵に彩ってくれるものが見つかるのではないでしょうか。

 

 

会期;2017. 4. 29(土)- 5. 7(日)益子陶器市期間中

時間;13:00  - 17:30

場所;FUJIWARA TOBO VIEWING ROOM(藤原陶房内)

企画;atoa design

出品作家;ic! berlin,atoa design,William Jackson,OTOTO,Gawan Ceramics,こどもとくらすことのアトリエ,

匙屋 さかいあつし,清水秀輝,高内陽彩,とこや大工,藤原郁三,北條潤,星野就久,MamaCarry®with Dandelion,

森一朗,森景子,Euco,(萬)吉田商店,Rom maai , 他...

 


Location

藤原陶房ビューイングルーム

address:〒321-4102栃木県芳賀郡益子町芦沼中70

Telephone:0285-72-6373


今回は総勢19組の作家さんに参加していただいてます。ジャンルも陶器、アロマ、ジュエリー、木製おもちゃ、匙、布製品、家具、メガネ、絵本など、多種多様な上、生産地も栃木(益子、那須)、茨城(笠間、水戸)、東京、埼玉、岡山、イギリス、ドイツなど、様々です。手作りのもの、工場生産のものもありますが、全て大量生産、大量流通という枠組みにはあてはまらないものばかりです。皆1つ1つ丁寧に作られています。
子供がいることで生活が変わるとはよく言うことです。確かに片付けても片付けても出してくる、舐める、ぐちゃぐちゃにする。。。危険だったり壊されたくないからと、その対策は大変です。しかし、そんな生活だからといって、暮らしに関わるものをないがしろにしたくない。子供にこそ、良いものに触れて欲しい、囲まれて欲しい。そんな大人のエゴかもしれない気持ちを’贈りたいもの’としてベースに考え、セレクトし、紹介しています。
子供達、そしてそれを見守っていく大人たちに’贈りたいもの’そんなものがきっと見つかるといいなあと思っております。

最後に展覧会にご参加いただいた作家の皆様、関わってくださった皆様ありがとうございました。

atoa design 藤原 愛

出品作品及び作家のご紹介

ic! berlin/アイシーベルリン

ドイツ生まれのメガネブランドです。ビスを一つも用いない作りになっているので耐久性抜群。そして軽い。スポーツにも毎日つけても全然疲れません。
各フレームにはオリジナルのシークレットメッセージが刻印されているという遊び心。
親子でメガネ(サングラス)ペアルックなんていいなーと思って日本支社の社長さんにお願いして今回の展覧会用にオリジナルでセレクトしていただきました。

atoa design/アトア デザイン

益子の土で作った花瓶です。
10年程前に自分たちの結婚式の引き出物用に作ったものですが、昨年リニューアルデザインしました。そしてこの展覧会で初お目見えとなる、花瓶のベビーバージョンもご覧ください。ベビー花瓶は子供が生まれたのを機会にぜひ作ってはどうかという友人の素晴らしい意見を聞きつつもずっと実行にうつせず、重い腰をようやくあげ完成に踏み切れました。NEW花瓶、ベビー花瓶の原型は3Dデータをもとに、3D出力したモデルで制作しています。(3Dデータ及び出力はMOA CREATIONにご協力いただいております。)
10年前はスタイロという建築資材を使用し、お正月にうたた寝する旦那を横目で見ながら手作業で原型を作ったのを昨年のことのように思い出します。

William Jacson/ウィリアム ジャクソン

イギリス人ならではの視点で鋭くクッキー、ビスケットについて批評し、ランキングをつけている絵本!?という斬新なもの。可愛いイラストと機知に富んだコメントは子供と一緒に楽しめるものです。
我が家では毎晩寝る前に娘に「ウェィルの絵本読んで」とねだられます。
ちなみに私のナンバーワンは、チョコレートダイジェスティブクッキーです。
あなたはどれでしょうか?

OTOTO/オトト

陶芸家の奥様のつくる陶器に画家であるご主人が絵付けをするという素敵なユニット。素材は伝統的な青絵付けと土台をオーブン陶土で作ったものに油絵の具で絵を描いたものを形にしています。
親子で、夫婦で、カップルで、友達で、、、、、それぞれの人に合ったブローチを探すのも楽しいのではないでしょうか。
ペーパーウェイトという名のオブジェ。初めて見たとき、これらの底知れない魅力にノックアウトしました。

Gawan Ceramics/ガワン工房

益子在住の陶芸家。
ご夫婦で活動されているユニットだけに、アイディアの多様性に驚かされます。
数年前にプレゼントしていただいた器がとても使いやすく可愛くてお気に入りだったので今回の展覧会にもお願いしました。それが、「なっとう鉢」という用途だったことに逆に驚いています。納豆はもちろん、こどものご飯を入れて食べさせるのにもいいし、小鉢として使っても可愛い。厚みのある釉薬でしっかり作られているので丈夫。
後から聞いてさらに驚いたのは、焼いた時に取っ手の重みで、自然にできた歪みの楕円なんだそう。だから形もしっかりしてて使いやすいんですね。

こどもとくらすことのアトリエ 木本志帆

10年前からオリジナルおんぶ紐の製造販売をしています。
近頃抱っこ紐が主流です。私もなんの疑問もなく抱っこ紐を使っていましたが、二人目が産まれて抱っこ紐の限界を感じてからはおんぶ紐を使っていました。赤ちゃんにとってもおんぶはとてもいいみたいですが、母親自身もおんぶがとても楽だと思います。特に二人目を産んでからは、上の子の面倒+子守で抱っこ紐では家事ができずらちがあきません。こんな素敵なおんぶ紐にもっと早く出会っていたかったなあ。と思いつつ、これから赤ちゃんを産む、育てるお母さん、お父さん、おばあちゃん達に使っていただけたらいいなあと思います。

匙屋さかいあつし/Sajiya Atushi Sakai

岡山県牛窓という港町より送られてきた木の匙です。一本一本手作りで、今回展示しているものは、口元が桜、握りがくるみの木と二種類の材をつないで作られており、仕上げはふき漆です。
実はずっと陶器と金属のスプーンの相性がよくないなあと思っていたのですが、木のスプーンに変えてしっくりくるようになりました。口当たりも抜群です。
益子から遥か遠い牛窓という街はどんなところなんだろうと思いをはせつつ、初めての離乳食はこんな素敵なスプーンではいかがでしょうか。

清水秀輝/Hideaki Shimizu

益子在住の陶芸家。
今回は照明を展示してもらいました。陶器独特のあたたかみのある光はきっと心安らげるのではないでしょうか。
寝室やリビング、子供部屋。どんなところに置いても素敵な夜長が過ごせるでしょう。
貝の神秘的な光と思ってロマンチックに見ていたら、ふと「アイスクリーム食べたいなあ。。。」と違うものを想像してしまいましたが、それもまたなかなか素敵な想像力だと自分で含み笑いをしてしまいました。

高内陽彩/Hiiro Takauchi

なんとも言えず愛らしいあかりの灯った家。可愛らしいのにどしりと重み、深みのある緑色の織部釉(おりべゆう)。見た目は可愛らしいのに奥に秘めた強さを感じる作品達は作家ご自身の魅力を想起させます。
初めておうち小皿に出会ったときに、「子供達のおやつ用のお皿にしたい!」と強く思ったことを思い出します。現実は子供に投げられたりするので、割られると困ります。成長してくれるのを待って、現在自分のおやつ皿として使ってます。

とこや大工/Tokoya Daiku

これほど職人らしい職人さんに会ったことがない気がします。徹底した技術へのこだわり。妥協のない仕事。こんな大工さんに作ってもらった家がどれほど家族を幸せにしてくれるのかと思うと感慨深いものです。
その彼の職人魂は、小さなおもちゃにも現れるんです。
国産ヒノキで作られた積み木。全て大工さんの手作業で丁寧に仕上げられています。
ヒノキの香りに癒されながらしばし子供のやんちゃに目を瞑ろう。。。

藤原 郁三/Ikuzo Fujiwara

作家としてこの道50年の巨匠にもかかわらず、常に新しいことを模索していく姿勢、そんな姿を見てあらためて、それゆえにずっと第一線を走り続けることができるのだと考えさせられます。今回のために、私たちの無理な提案に対しても、新しい試みをしてくださりました。
カラフルな「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」ポーズの可愛らしい鬼達。かわいらしいお地蔵さん。
それらは皆温かく子供達を見つめてくれるようです。
お人形遊び好きな娘にお人形として遊ばれては困りますけどね。

藤原 郁三/Ikuzo Fujiwara

蛍硝子(ほたるがらす)という、とても綺麗な名前の硝子で作られた箸置きです。
蛍は水が綺麗なところでしか生きられない。人も同じである。そして、そんな思いを込め、名付けられたそうです。
というのは、あたたかみのある柔らかい風合いを感じさせるこの素材は、使えなくなった蛍光管のリサイクル硝子で作られているからです。
そんな循環する素材の姿は人の営みそのものをふと思い出させてくれます。
母が亡くなって、娘が産まれて「お母さん、命がつながったよ。」と思えてやっと移り変わっていくことが受け入れられる気がしました。

北條 潤/Jyun Hojyo

益子在住の陶芸家。
繊細でセンスの光る素敵な作品です。忙しい日々の中で自分のために入れるコーヒーは格別な時間です。そんな時に使うカップアンドソーサーはさらにその貴重な時間の価値を上げてくれます。自分だけの特別でもいいし、大小で親子でペアにしてみたり、カップルでおそろいで使ってみたり。。。
使い方を考えるだけでもワクワクしてしまいそうです。

星野就久/Narihisa Hoshino

益子在住の陶芸家。
いろんな釉薬を使って表現する益子焼きの中では珍しく、穴窯という昔ながらの窯で器を作っています。土やそのときの焼き方などにより、出来上がる作品の風合いは一つも同じものがなく、無限の表現が秘められています。
今回は植器と植物ということで、器に合わせて植物も作家ご自身の手で育てられています。
植物と植器によるオブジェは、生活の中に潤いをもたらしてくれることでしょう。
ズボラな私はまめに世話するのが苦手ですが、ふとしたときに目に入ると癒されます。
我が家にはキッチンの窓辺に小さな植物+植器が成長してくれてます。

MamaCarry®with Dandelion/ママキャリーウィズダンデライオン

今回が初お目見えの素敵なバック達。今回の展覧会が先行販売です。
作家お二人が小さなこどものママ。
「もっと荷物を軽く、もっと快適に、もっとお洒落にお出掛けしたい!」と思ったのがきっかけらしいのですが、探しても理想のママバッグは見つからず、無いなら作ってみよう!とゆう経緯。
「母強し」とは良く聞く言葉ですが、改めてその言葉を思い出しました。育児は孤独で重労働。つい外へ出るのがおっくうになりがちですが、このバックがあれば、そんな必要もありません。おしゃれして出かけたくなりますね。

森 一朗/Ichiro Mori

今から800年以上前、平安時代のおわりごろ(12世紀)から岡山県備前市伊部地域にて始まったと言われる「備前焼」。今や様々な表現方法がある「益子焼」にたいして、「備前焼」は備前の土を使い、無釉で焼きしめる、そのためには登り窯か穴窯、松割木を用いて焼く。。。原料から制作方法まで全て統一されている。釉薬で表現しないためシンプルと感じていました。かつて建築家の巨匠ミースファンデルローエが 「Less is more」と言った言葉を彼の作品を見て思い出しました。
子供用茶碗の可愛さもさることながら、ぐい呑みで一杯やりたいと強く思う今日この頃でした。

森 景子/Keiko Mori

アロマ空間デザイナーである彼女が今回の展覧会のために作ってくれた香りです。
家族で愉しめるをテーマに、暑い夏をさわやかに感じさせ、気持ちをリフレッシュさせてくれる遊び心がある香りです。
つわりのとき、産気づいたとき、入院したとき、、、私の体調の節目にそのときに適した香りを届けてくれました。それがどれほど癒しになったことか。香りは目に見えないけど、確実に記憶、感覚全てに働きかけ小さいようで大きいものです。春の香り、実家の家の香りなど、ふとしたときに香ることで心がほっこりするものですよね。

Euco/ユウコ

”シンプル&エレガント”に遊び心をプラス。
大人の女性の”可愛い”をテーマにジュエリーを制作しているジュエリーデザイナー。
「ベビーリング」という言葉を知ったのは5年前。娘を産んで彼女からプレゼントしてもらった。誕生石の入ったものすごく小さなリング。産まれて数ヶ月後、娘の指にそっとはめてみた。まだぶかぶかだろうと思ってはめてみたものの、それはぴったり。小さいと思っていたけど、確実に成長しているのね。現在、赤ちゃんだと思っていたら小さなおませな女の子に成長し、きっとさらに時が過ぎある時気付くと年頃の娘になっているのでしょう。そんな頃またこの「ベビーリング」をプレゼントできると思うと楽しみで仕方ないです。

(萬)吉田商店/Yoshida Shouten

那須塩原市にある家具屋さん。アンティークの古い家具や道具などが並ぶ。
今回の展覧会にふさわしい家具をリメイクして仕上げていただきました。昔からオシャレでカッコいい作家さんならではの、センスの光るものばかり。
我が家にも、祖父が母のために手作りで作った机があり、大変古く、木もぼろぼろになってはいるが、それもむしろいい味で、綺麗に掃除し手入れして、今は子供部屋で子供がお絵描きするときに使っている。買って捨てるだけでなく、補修し、手をかけて使い続けることも心地よく暮らす上でとても贅沢で気持ちのいいことですよね。

Rommaai/ロムマーイ

神楽坂近くに佇む素敵なギャラリー、Rommaai。そんなRommaaiのオリジナル商品です。
全て作家さんの手作りです。
小人用買物袋を見せてもらったときは写真だったので、ありきたりな大きさを想像していたのですが、実物を見てびっくり!「KAWAII!!! 」と感動しました。これは確かに「おやつくらい自分で持て」。そしてさらに思ったのは、「その愛らしい姿を親バカの私の目に焼き付けさせておくれ。」
陶のピアス、ブローチも独特な風合いと世界観を感じさせるものです。ピアス穴が空いていない私にはつけることは不可能ですが、素敵なのでぜひ。

Rommaai/ロムマーイ

キッチンでコンロの近くに置いて味見皿や調理道具置きとしてお使いください。
菜箸でも、木べらでも、おたまでも置けます。
整理整頓の苦手な人にも、忙しくて片付けられない人にも、いや、むしろ整理整頓できてお料理上手な人にこそぴったりなものかもしれません。
キッチンごちゃごちゃ、お料理不得意な私でも「お料理上手」に近づけるでしょうか。。。いやでも、使いこなせない私は、むしろお料理上手な彼女にプレゼントしたいものだと思いました。

Rommaai/ロムマーイ

山梨にある窯で焼かれています。
卓越した技術、センスの良さを感じさせる繊細な仕上がり。クオリティの高さは群を抜けています。我が家も基本的に陶器でやってきましが、、、実はプラスティック皿に少々心が傾く日もあります。「食育」という言葉がありますが、それは食べ物のことだけではないはず。贅沢ではありますが、こうした丁寧に作られた作品で食べるということ。何気ない日常の行為の積み重ねが実は一番大切なのかもしれません。