益子、くらす家 建物、完成しました!

益子、くらしの土産店として、また、益子、くらしの家こと、益子のくらしそのものを体験できる、滞在型体験施設として建築されることになったおうち型施設。もともと農業を基軸に、施主一家が営んできた事業を、この場所を通じて、お伝えしていく場として作られました。

私たちは、この建物の外観、内観、造作家具のデザインなど、空間意匠にかかわる部分すべてに携わらせていただきました。施主が営んできた事業イメージを元に、全体のコンセプトはもちろん、視覚的にもロゴのデザインをそのまま空間イメージにつなげたり、イメージと現実空間を行ったり来たりしながらデザインを進めていきました。どんな細かいことも、施主との話し合い、検討を重ね、時間をかけ、じっくりと作った建物となりました。また、建物を作ってくれた地元の大工の棟梁は、そんな私たちのこだわりにとことん付き合ってくれ、このスピードの速い時代とは思えぬほど、じっくり進めていけました。

施主一家が大切にしている、「季節を贈るくらし」を体感できる空間を目指し、実現することができるだろう空間となったと自負しております。建物(家)というものは、建てて終わりではなく、これからが始まり。そして、空間自体も、育てていくものだと考えています。今後も施主と共に、この家をよりよく育てていけるように携わっていけたらいいなと思っています。

 

 

建物について

外観は、農業が盛んな益子地区のあちこちによく見かける、トタンの波板をオマージュするイメージで、波板を採用しました。

実際には、波板とはいえ、ガルバリウム素材なので、耐久性、メンテナンス性も良い素材を使用していますが、風景になじむように、色も真っ白ではなく、アイボリーの温かみのある特注の白色です。

また、この建物の形を含む、西面(写真の面)の4つの窓は、施主の事業のロゴを元に、世界観をこの面で表現しています。この建物自体が、看板であり、アイコンとして存在するように、「おうち」らしさを感じる形に徹底的にこだわりました。

図面では伝わらないことも、このようなパースを何十枚と描き、施主、大工とイメージを共有し、進めていきました。

このパースは一番メインの空間のパースです。キッチン、ダイニング、店舗スペースとして使われる空間です。この空間は、ワークショップや体験施設において、要となる場所。

一本の大木が施主のお父様からプレゼントされ、この木をこの家のどこかに使ってほしいという要望があり、試行錯誤の末、柱の一本として、構造的にも必要な場所に使用し、かつ、空間としても入口付近のメイン空間に配置することで、シンボルツリーとして使いました。

イメージパース→

 ほぼイメージに近く作ってもらいました。

また、シンボルツリーである、一本の丸太は、メイン空間と隣の部屋の和室を共有する形で柱として存在しており、壁によって仕切られてはいるものの、一本の木がつなぐ形で、緩やかに空間をつなげてくれるように存在しています。

ディテールについて

キッチンや洗面などには、手作りの益子焼タイルを採用。一枚一枚手作業で作られたタイル。粘土の板を切るところから、釉薬をかけるところもすべて手作業で作られます。釉薬は益子焼の伝統釉を使用し、温かみを演出しています。

益子の藤原陶房制作です。


今後、この建物で行われる詳しい情報は、こちらまで

 

合同会社のの  https://no-no.net/


施主である仁平ご一家はもちろん、

この建築において、携わって頂いた、すべての方々に心より感謝申し上げます。

 

大工棟梁としてご尽力いただいた、斉藤圭さん。

 

藤田設計、細野工業、加藤大工さん、市村電気、菊池左官、松原塗装、佐藤建具、藤原陶房、他

様々な業者の皆さんのご協力、ありがとうございました。

 

2023.08 竣工


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